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尿管結石にならないための摂るべきもの5選、摂るべきでないもの5選

こんにちは!トト丸です🐶

まだまだ暑いですね💦こんな時期はビールと焼肉が旨い🍺とか言っていると朝方激烈な背中の痛みが…なんて経験はありませんか❓

それって尿管結石かもしれませんよ❓実は痛いだけでなく、放っておくと良くない病気なんです。

今日は尿管結石の予防方法について勉強したいと思います。

以下のような人たちにおすすめの記事になってます👍

尿酸値が高いと言われて心配…
健康診断で腎結石があると言われた🙄
尿管結石になったことがある
あんな痛みはもう経験したくない😭

では一緒に勉強していきましょう!

尿管結石とは?

みなさん尿管結石はご存知ですか?

尿管結石とは、尿を作る腎臓から尿を溜める膀胱への途中の道(尿管)に結石がつまってしまうことです。

男性の7人に1人、女性の15人に1人が一生のうち一度は尿管結石になると言われています。(尿管結石症診療ガイドライン2013年版より)

その頻度は年々増加傾向です⤴︎⤴︎

 

そして尿管結石の最大の問題は、、、

とてつもなく痛い!ということです…😱

経験した方はわかるかもしれませんが、大の大人が悶絶して救急車を呼ぶくらい痛いんです🚑💦

救急をやっているとよく出会う病気で、その痛そうな姿を見ると本当に辛そうです😭

 

今回はそんな尿管結石にならないための

摂るべきもの5選、摂るべきでないもの5選を紹介します。

 

摂るべきもの5選👍

①水分

最低でも2Lくらいの尿を出すように水分補給をしましょう。

結石を形成する尿中のカルシウムなどが多量の水分で薄まることで結晶化することを予防する効果があります。

特に夏場で仕事を頑張っていると、尿がグッと少なくなり結石が析出してしまうため夏場の夜がよく尿管結石の発作で救急車が増える印象です。

②カルシウム

尿管結石の80%はカルシウム結石(ほとんどがシュウ酸カルシウム)なんですが、実はカルシウムを控えることは逆によくないとされています。

適切な摂取量(800~1000mg/日)を維持することが推奨されています。カルシウムがよく取れる食材については以下の表を参照ください。

日本人はカルシウム摂取量が不足しがちなので普段より多く摂る意識が必要ですね。

引用:農林水産省Webサイト

ここで注意したいのはカルシウムのサプリメントは推奨されない、ということです。過去の研究でカルシウムのサプリメントはわずかに再発制結石のリスクを増加させたという結果であったためです。

参考:Comparison of dietary calcium with supplemental calcium and other nutrients as factors affecting the risk for kidney stones in women. Ann Intern Med. 1997;126(7):497. 

 

③カリウム

カリウムが豊富な食事をしている人は結石が発生するリスクが低いことが過去の研究で言われています。

参考:Dietary Protein and Potassium, Diet-Dependent Net Acid Load, and Risk of Incident Kidney Stones. Clin J Am Soc Nephrol. 2016 Oct 7;11(10):1834-1844.

具体的には果物や野菜を摂ることがおすすめです!

④クエン酸

クエン酸により尿のpHをあがり、結石予防に有効です。

クエン酸と尿中カルシウムが結合することで、カルシウム結石の予防につながります。

医薬品で処方できるクエン酸製剤としては「ウラリット配合錠®︎」というものもあります。

クエン酸を多く含むジュース(オレンジジュースなど)は糖分・カロリーを摂りすぎて体重増加につながる可能性があるので一概に良いとは言えません。

 

⑤魚油(EPA エイコサペンタエン酸)

カルシウム結石患者にEPAを投与すると尿中シュウ酸やカルシウム排泄量が減少すると報告されています。EPAは高脂血症を伴う尿路結石の予防に有用な可能性があります。

 

摂るべきでないもの5選👎

①食塩

腎結石のある方は食事によるナトリウム摂取量を制限することがおすすめされます。ナトリウムを制限するとカルシウムの尿排泄量を減少させる可能性があります。

 

②シュウ酸

尿管結石の大半はカルシウム結石であり、さらにその大半はシュウ酸カルシウム結石です。なので単純にシュウ酸が多い食べ物を多く摂ると、尿管結石のリスクが増します!

シュウ酸を多く含む食品

ほうれん草などの葉物野菜、たけのこ、紅茶、珈琲、お茶(特に玉露、抹茶)、バナナ、チョコレート、ココアなど

引用:尿管結石症診療ガイドライン2013年版

シュウ酸を多く摂取しないための工夫

①茹でる

シュウ酸は水溶性なので茹でることで減らすことができます。

葉物の野菜など茹でることでグッと減らせますよ。🥬

②カルシウムと一緒に摂取する

腸内でシュウ酸と結合して吸収を阻害できます。

具体的にはコーヒーや紅茶を飲む際はミルクを入れると良いですね☕️

 

③プリン体

尿酸値が健診で引っかかっている人も多いのではないでしょうか?

カルシウム結石が大きくなるのに尿酸結石が一役買ってしまいます。結石が大きくなれば、もちろん途中で引っ掛かり発作を起こす可能性が高くなります。

プリン体を多く含む食材

  • レバー
  • モツ
  • 白子
  • 干物
  • ビール

酒飲みにはどれも制限するのは辛いですね…🍺

ただあの世紀末のような激痛を経験すると控える人もいるとかいないとか…🤭

 

④乳製品以外の動物性タンパク質

高タンパク食によって尿中カルシウムおよび、クエン酸排泄に悪影響を及ぼし尿管結石のリスクが増加するとされています。

 

⑤砂糖(ショ糖、果糖)

砂糖は尿中のカルシウム排泄、シュウ酸排泄、尿酸排泄を促進させるため結石のリスクが高まるので摂取を控えましょう。

参考:Fructose consumption and the risk of kidney stones.Kidney Int. 2008;73(2):207. Epub 2007 Oct 10. 

尿管結石ができてしまったらどうすれば良いのか?

さぁここまで摂るべきもの5選、摂るべきでないもの5選を紹介してきました!

お気づきの方も多いと思いますが、尿管結石は生活習慣病の1つとも言われています。食生活などが大きく影響するからですね。ちなみに肥満も尿管結石のリスクになります。

全員が発作で痛みを伴うわけではなく、気づかないうちに腎臓に石が析出していたり、石が尿で排泄されてしまっていることもあります。

症状がないからと言って安心してはいけません!腎結石・尿管結石のある人は腎不全を発症するリスクが高いと言われています。知らず知らずのうちに腎臓を傷つけているかもしれませんよ…🙄

治療方法は?

基本的には経過観察(もしくは薬物療法)です。長径10mm未満の結石は自然に排石されることがほとんどなので、手術で取る必要はないと言われています。

結石のサイズと、引っかかっている場所(上流なのか、下流なのか)で治療方針は決まります。体外から衝撃波を当てて破砕する方法や、経尿道から内視鏡のような機械を入れて取り除く方法などが行われることがあります。

再発率はどのくらい?

結石の再発率は最も多いタイプのシュウ酸カルシウム結石で3~5年で10~30%と言われています。10年と長い経過で見ると約50%が再発するという報告もあります💦

発作が起きてしまったらどうしたらいい?!

典型的には朝方、起きたてに痛みが出ることが多いです。痛みの程度は人によりけりですが、かなり痛いです😱

痛みで動けなければ救急車を呼んでもしょうがないと思います🚑

元々腎結石があるのはわかっていて、痛みもそれっぽければ痛み止め(ロキソニンなど)を服用して波が過ぎ去るのを待つのも良いかもしれません。

ただし、以下の2つの場合は必ず病院を受診してください!

痛みが今まで感じたことがないくらい強くどうしようもない

痛みが強すぎると嘔吐したり、動けなくなってしまうので病院に行って点滴か座薬で痛み止めをしてもらいましょう。

ここで注意が必要なのが、尿管結石以外の病気である可能性もあることです。例えば大動脈瘤、急性膵炎など、緊急性を要する病気が隠れていることがあります。

熱がある、悪寒がする

尿管結石が尿管に詰まってしまい、尿が流れなくなるとそこに細菌が繁殖することがあります。そうなると結石性腎盂腎炎という病気になりかなり緊急性が高い状態になります。あっと言う間に細菌が身体中を巡って敗血症となり、最悪死に至ります。

石を取り除く手術をすれば尿の流れが良くなるので助かります。なので泌尿器科の専門医師がいる病院へ行きましょう💨

 

尿管結石自体はよくある病気ですぐに命に関わることは稀です。ただ何と言っても痛いんです💦周りにも経験者はいるのではないでしょうか?働き盛りの若い人もなる病気なので要注意です❗️

そして病気は発作時のことも大事ですが、何より予防がもっと大事!

今回紹介した食生活を参考に、みんなで気をつけていきましょう!

ではまた👍

 

参考資料

Uptodate®︎:Kidney stones in adults: Prevention of recurrent kidney stones