最初は「ショックの初期対応」「RUSH exam」についてです。
ショックの初期対応自信がない…😭
RUSHって聞いたことあるけど…🤔
という方必見の内容になっています!
ショックの初期対応
救急外来においても、病棟においても、ショック患者の対応は一緒です。
目の前で「血圧70台です!!」「冷や汗かいて意識朦朧です!!」なんてスタッフに言われたらこちらの冷や汗が止まりませんよね💦
そんな時自信を持って対応できますか?誰でも遭遇しうることなので一緒に勉強しましょう!
- まずは自分が落ち着く
- 可能な限り人を呼ぶ
- ABCの確認
- サルも聴診器
それでは順番に見ていきましょう!
①まずは自分が落ち着く
それができたら苦労しないよ!と思いますが、それでもあえて必要なので書きました。人はパニックに陥ると極端に思考レベルが低下します。普段だったらスッと出てくることも忘れてしまったり、適切な判断ができなくなります。その事実を知ってるからこそ現場に行く前、患者を診てから一呼吸おくのも大事なんです。
②可能な限り人を呼ぶ
急変時は絶対的に人が足りません。採血・点滴を取る、記録をする、検査を出す、各所に連絡をする……などなどやることは盛り沢山です。BLSやACLSなど様々なコースで「人を呼ぶ」と口すっぱく言われているものの、実際病院などの急変現場でよく起こる問題が「人が少ない」なんです。
①の「まずは自分が落ち着く」を思い出してください。みんなパニック状態で目の前の仕事しか見えていません。なのでまず「人を集める」のが重要なんです。
③ABCの確認
救急においてのABCとは
Airway(気道)、Breathing(呼吸)、Circulation(循環)です。
もちろん血圧を測ったり、SpO2を見たりしてもいいんですが、もっと簡単に素早くするには「見て、聞いて、触って」診察をすることです。
具体的には
「呼吸様式を“見て”」
「息遣いを“聞いて”」
「脈を“触って”」です。
呼びかけながら反応を見つつ「うー」でも「あー」でも声が出てればAirwayはOK。
呼吸していない、脈が触れなければ心肺停止(CPA)と判断して即胸骨圧迫開始です!
ショック患者は脈が早くて弱く、冷や汗をかいて頻呼吸、意識が朦朧としてるのが典型的な様相です。
ここまでショック患者を目の当たりにした時にの初期評価を話してきました。
次は実際どう動けばいいか、を話していきます。
④サルも聴診器
突然何だこれ?と思いますよね?猿?聴診器だけあればいいの?🙄
これはかの有名な福井の林先生が考案したとされる語呂合わせです。内容は以下です。
サ:酸素
ル:ルート(点滴)
も:モニター
聴:超音波
診:心電図
器:胸部X線
これを急変時にパパッと指示できて、実践できれなあなたも”デキる医療者”です!
さて、ここで出てくる「超音波」についてもう少し話を進めましょう。
超音波はショックの診療に関して絶大な効果をもたらします。
超音波におけるショックの鑑別方法をRUSH examと言います。
RUSH exam
RUSHとはRapid Ultrasound in Shockの略称です。救急領域では広く普及しています。
RUSH examは3つのステップで評価をしていきます。
1.Pump(心臓)
2.Tank(ボリューム、体内腔)
3.Pipe(血管)
順番に見ていきましょう!
1.Pump(心臓)
診るべきポイントは3つです。
①心嚢液と心タンポナーデの有無
②左室収縮能
③右心負荷の有無
2.Tank(ボリューム、体内腔)
診るべきポイントは3つです。
①下大静脈のサイズ、呼吸性変動
②胸腔内・腹腔内の液体貯留の有無(FAST)
③気胸、肺水腫の有無
3.Pipe(血管)
診るべきポイントは3つです。
①腹部大動脈の有無
②大動脈解離の有無
③深部静脈血栓の有無
以上をササッと診ることができれば迅速にショックの鑑別ができるようになります!
具体的な内容に関してはまた別の記事で書いていこうと思います。
最後に復習です。
・ショックって何?
臓器の血流(酸素供給)が維持できず、臓器障害を起こしている状態
血圧が低い=ショック、ではない!
・ショックの分類とは?
4つに分けられる。
心原性ショック、閉塞性ショック、循環血漿量減少性ショック、血液分布異常性ショック
・ショックの初期対応、サルも聴診器?
①まずは自分が落ち着く
②可能な限り人を呼ぶ
③ABCの確認
④サルも聴診器
・超音波は頼れるツール!RUSH examとは?
Pump、Tank、Pipeの3要素が大事
どうだったでしょうか?
ショックはどんな医療者でも出会うことのある緊急事態です。
自信を持って対応できるようになりましょう!